販売再開のお知らせ-『LP-2020A+NFJストア別注モデル』第三ロットについて

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皆様、こん○○は。Hでございます。

大変お待たせしました!
4/19より、「LP-2020A+@NFJストア別注モデル第三ロット品」の
販売を開始致します。今回の第三ロットは、今まで弊社で扱っていた
LP-2020A+の集大成といえる最終段階のロットです。
商品ページが大変長くなってしまっておりますが、特徴をまとめただけでも
かなりの量になってしまいました。大変恐縮ですが、ご検討中の方は
ご確認をお願いします。

ぜひ今回の第三ロットも宜しくお願いします!



さて、出品開始から短期間にもかかわらず多数のご落札、本当に
有難うございます。また複数のお客様から、有り難いお言葉を
頂戴しており、大変光栄に思っております。今回のロットはかなり
多めに仕入れておりますが、欠品がないともいえないくらいの
ペースですので、万が一欠品した際はご容赦下さいませ。


※4/21加筆・修正※
なお、こちらのブログ記事では商品ページに書ききれなかった情報や
詳細な画像、こぼれ話などを記載致します。
徐々に加筆いたしますので、時折ご確認下さいませ。




それでは、ここから第三ロットの改良点について補足してまいります。
特に以前の別注品と異なる箇所を重点的にご案内します。

まず改良点のポイント一覧図を掲載致します。
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それでは今回の第三ロットからの改良点についてご案内致します。
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○TREBLE/BASS/VOLUMEの3つのボリューム抵抗を変更
標準品:W.L製 ⇒ APAI社製ボリューム抵抗 高品質タイプ B20K x1 B50K x2
まず、こちらの改良に至った発端はトーン調整時に微妙なノイズが発生する
固体が発見されたことです。もっとも使用上で影響があるほどではなく、
お客様からもほとんどご指摘がございませんでしたので、当初はさほど
重要視しておりませんでした。ただ今回最終段階にあたり、かなり細かい点も
含めて、改良を加えることに致しました。

実は標準品のトーンコントロールのボリューム抵抗には微妙な個体差がありまして、
またLP-2020A+はオペアンプを搭載した回路の仕様という特殊な構造である
ということで、抵抗の微妙な個体差が過敏に反映してしまい、なおかつハムノイズの
影響でその部分が顕著に出てしまうという傾向がある問題がございました。
※こちらに関してはメーカー側は仕様としております。

以前より弊社でも問題視していた部分でしたが、先日の弊社による製品改造
テストを行なっていた際に、問題が明確になりました。可変抵抗の改善に関しては、
別注品第二ロットで製造メーカーに変更依頼を掛けておりましたので、品質は
若干上がりましたが、残念ながら納得できるほどの改善には至りませんでした。
また、弊社のお客様でボリューム抵抗をALPS製の物に変更することにより、
第二ロット品が激変したというご意見も頂戴しておりました。

かといって、そのレベルのメーカー品は極端に価格に影響してしまう為、
出来る限り最低限のコストで済み、なおかつ高品質な部品を探す必要があります。
そのため、製品改造テスト時に複数のメーカーの部品を試した結果、今回の
メーカー、APAI社の部品にたどり着きました。

こちらの部品は抵抗パネルに台湾メーカーの台湾製を使用しておりノイズレベルも
低く、左右範囲精度1.5dB以下タイプを使用しております。その結果、標準品と
比べると著しく品質が向上しておりますので、可変抵抗由来のノイズは
無くなりました。またAPAI社の製品の中でも上位タイプを指定したこともあり、
左右のバランスの誤差も極僅かで、品質の向上に大きく貢献しております。


以上のことから、今回の第三ロットでボリューム抵抗も弊社供給へとシフトしました。
ただ、問題はこれだけではなかったのです・・・

○ツマミをプラスチックメッキタイプからアルミのツマミに変更
明らかに外観が異なっておりますので、見た目でもすぐに気が付く部品です。
なぜ、この部品が音質に影響が出るのか、といった疑問を抱かれる方も
おられると思います。まず以下の画像をご覧下さい。
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※比較的状態の悪い物を撮影しております

こちらの画像のように標準品のツマミではメッキが軸受け部分に達しているものが
複数混在しておりました。また、設計上、音量部分の軸はGNDに落ちておりません。
その為、素手でボリュームのツマミを触った際に小さいながらも、チリチリといった
感じのノイズが発生する場合がございました。
※こちらに関してもメーカー側は仕様としております。

こちらの問題判明したときは、さすがに一本取られた気分でした。
製品改造テスト時に影響の出そうな部品をしらみつぶしに交換していったのですが
なかなか気が付かず、この問題を発見するのにかなり苦労しました。
全てのツマミでメッキが軸受けに達していたわけではございませんので、
最初は組み込み部品による個体差で発生しているものと思っておりました。

その為、ツマミをアルミタイプに変更し、その問題を回避することができました。
原因がわかってしまえば対策は簡単で絶縁する目的もあり部品交換致しました。

なお問題が発生するのは音量調整のツマミだけだったのですが、そこだけを
交換すると、見た目の問題でさすがに違和感が有りましたので、TREBLE/BASS側
も含めて3つともアルミのツマミに変更しています。

ただ、そこまで品質の良いツマミではないものの、表面の材質がアルミということも
あり、プラスチックメッキタイプに比べコスト面は数倍に上がってしまいました。
また、あくまでもツマミ自体だけの問題ではなく、金属軸のボリューム抵抗と
標準品のツマミの組み合わせが悪いというだけです。その為、今後は可変抵抗の
軸を樹脂タイプにしたものを採用しコスト面の改善する予定です。


以上のように、第三ロットより弊社供給部品を追加致しました。
ただ問題を解決していくと、新たな問題、といいますか気になる点が発生するのが
LP-2020A+の特徴でもございます・・・・


オペアンプ出力段にコンデンサを追加
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※赤丸の箇所が追加された部品です。

先述でも少し触れているように、LP-2020A+の最大的特徴ともいえるのが、
上記画像のようにオペアンプが組み込まれていることです。ただメーカーの
設計上でオペアンプのゲインが高く、回路自体が非常に敏感になっております。
その為、実装部品の若干の個体差なども敏感に反映してしまい、ノイズの問題が
出たりしてしまう場合がございました。
※言わずもながら、こちらに関してもメーカー側は仕様としております(汗

上記理由で、弊社から数パターンの回路改善の提案をしており、メーカーには
オペアンプの出力周りの改良を依頼しておりました。その結果、オペアンプ
出力段にコンデンサを追加するという方法で改善しております。
もちろんトーン側だけなく、ダイレクト側にもコンデンサが追加されております。
余談ですが、弊社からは基板設計の変更による対応をお願いしていたのですが、
このような方法で改善されておりましたので、少々驚きました。


少し長くなりましたが、以上の三点が今回の第三ロットの改良点です。
今回の第3ロットではトーン回路周りの問題を集中的に対処し、部品変更や、
回路設計におけるわずかな変更で、従来の問題をかなりクリアしました。

特に第三ロットは当アンプ検品時に不良品が激減したことが印象的でした。
弊社検品基準で前回のロットで20%弱あった不良率が、6%ちょっとに減り、
なおかつトーンコントロール部分での不良に関してはほぼ0といった結果でした。
しかも、今回の検品は先日販売したFX202Aの検品直後に実施したため、
通常よりも厳しく検品しているような状況でしたから、今回の第三ロットの
仕上がりが弊社の基準で見ても優秀であると思われます。

余談ですが、実は検品当初は不良品がいくつか発生していたのですが、
そのほとんどの原因がトーン部分のボリューム抵抗とパネルの間の六角ナットの
締め込み不足によるものでしたので、ナットの増し締めして解消が出来ました。
こういった部品も音に影響が出ますので注意が必要と実感した次第です。
※もし、トーンコントロール時に不可解なノイズが発生しているような場合は
 何らかの原因でボリューム抵抗固定用のナットが緩んでいる恐れがございます。
 その場合はナットをラジオペンチ等で再度閉めなおすようお願いします。



※ ※ ※

以上、少々長くなってしまいましたが第三ロットについてのご説明を致しました。
時が経つのはとても早いもので、LP-2020A+を煮詰めるのに1年半ほどかかり
ました。ただ、その経験は弊社、スタッフにとってとても良い勉強になりました。

先日、弊社取り扱いのFX202Aの購入者様に、LP-2020A+にそんなに手を
かけなくてもいいのじゃないか?といった、ご指摘を頂戴しました。
正直な話、ごもっともだと思います。ここまでくるのに、多大な時間と労力を
使いました。ただそのお客様にも申し上げたのですが、「出来が悪い子ほど、
かわいい」といった言葉の通り、ここまで続けてきた感がございます。

ただ、上記改良点に記載していたとおり、さすがにメーカーと弊社の間には
温度差が出来つつあります。Lepaiの製造メーカーはあくまでも低価格が売りで
標準品はコストを限界まで下げております。また、品質の基準もレベルが低く
メーカー側で改善できそうな問題でも、『仕様』で片付けております。
上記改良点でもメーカー側で仕様と判断した箇所は記載しております。

その為、今回の改良より上を目指すとなると、メーカーが心を入れ替えない限りは
不可能であると判断致しました。そのうえで、最終段階をした次第です。
もちろんメーカーがつぶれない限りはLP-2020A+は継続販売を致しますが、
LP-2020A+と同じくオペアンプ内蔵でトーンコントロール付きのプリメインアンプ的な
デジタルアンプを弊社から世の中に送り出すことができれば、と企んでおります。
おそらく当分先の話にはなってしまうと思いますが、ご支援宜しくお願いします。


それでは皆様、今後とも宜しくお願いします!
長文にもかかわらず全てお読み下さりまして有難うございました!


※今後もこの記事は加筆、修正を行ないます。