地味に見えるが燻し銀の進化

新製品のご紹介


 

真空管製品のご紹介第二弾は正当進化のTUBE-03J+です。
パッと見はあまり変わってないように見えますが、実質的に全くの新設計と言えるほどの進化ですね。
こういう本気のブラッシュアップを見ると、新製品ラッシュで寝不足気味の頭に喝が入ります。

それでは本日も、理解りやすく解説しますね。



【製品の特徴】
標準付属真空管として6K4を採用
TUBE-03Jでは付属の真空管に6J1軍用管を採用していましたが、既に6J1が入手難ですのでTUBE-03J+では、標準で6K4を採用しています。
設計自体は6J1ベースで行われており、6K4でも問題ないように調整されていますが、本来の実力を味わっていただくには6J1(別売)をお勧め致します。
6K4が良くないという事ではなく味わいの違いですので、お好みの真空管をお試しいただくのもTUBE-03J+の楽しみの一つです。

TUBE-00Jでも触れましたが、これからの付属真空管はTUBE-01J以外は6K4になります。
正直、かなりマッタ~リした音なので、皆さんに受け入れてもらえるか心配していたんですが、思いの外に好評で胸を撫で下ろしてます。

ここで小ネタですが、中国やロシアで作られた6K4はリモートカットオフ特性ですので、TUBE-00Jや03J+のように6K4の特性を考慮した回路では安定して動作するんですが・・・TUBE-01Jのように調整範囲が広い回路では、かなりピンポイントで調整しないと良い音で鳴ってくれません(^^;)
もしTUBE-01Jをお持ちでしたら、自分の耳を信じて調整にチャレンジしてみてください。
調整を外すとかなり歪むので結構ハマりますよ。

真空管オペアンプによるハイブリッドプリアンプ
前段バッファ部およびトーンコントロール部には、音質面でコストパフォーマンスの高いTexas Instruments製オーディオ用 オペアンプ「NE5532」(DIPソケット式)を採用!
後段を真空管回路のハイブリッド構成とし、真空管オペアンプの長所をそれぞれ活かすことで高音質かつ深み・味わいのある音質をお楽しみいただけます。

TUBE-00Jのご紹介でも触れましたが、前段でゲイン調整、後段の真空管回路で倍音成分の付加と基本は00Jと同じというか、00Jは03J+からトーンコントロール回路を取ってシンプルにしたものなんですね。

■トーンコントロール機能(トーンダイレクト機能)
BASS/TREBLEのトーンコントロールを装備し、お好みの音質に設定可能。
追記*BASS/TREBLE調整ボリュームがセンタークリックタイプになりました。
加えてトーンダイレクト機能によりトーンコントロール回路をパスさせることで、ピュアな高音質とお好みの音質の両立を実現しています。

TUBE-03J+のトーンコントロール回路はNFB式となっています。扱いやすさを取るか、絶対的な性能を取るかなんですが、この辺りは回路設計者さんの考えが反映されるので面白いところですね。

さて、続いてTUBE-00J、01Jユーザー様が気にかかるダイレクトモードについてです。
ダイレクトモードだとTUBE-03J+と00Jは非常に似た傾向ですが、WIMAに合わせてチューニングされているので、TUBE-03J+の方が少し厚くて音の粒立ちがよく感じられる方も多いんじゃないかと思います。
音の粒立ちはWIMAだけじゃなく、実は後述するアートワークが効いてるんですよ。

■ゲイン設定機能
本体裏面のDIPスイッチにより、High/Lowの2段階のゲイン設定が可能となっています。

■パワートランジスタによる電源アクティブフィルター回路を搭載
パワートランジスタを用いたアクティブフィルター回路により、真空管用昇圧電源回路のノイズを排除し、オペアンプの動作に最適なクリーンな電源を供給することで高音質化を図っています。

お馴染みのクリーンな電源は当然ですが、03J→03J+ではオペアンプ用のバルクコンデンサの容量が増えてたりします。見た目は変わってないけれど、コツコツと地味な所も改善されてるのがTUBE-03J+の特徴かもしれません。

■採用部品のこだわり
音質に影響する重要な部品に関しては日本、欧州メーカー品を採用することで品質を高めています。
・オーディオ用では定評のWIMA製フィルムコンデンサを採用。
【入出力カップリングコンデンサ
・BCコンポーネンツ製(旧PHILIPS、現VISHAY)特注仕様メタライズドフィルムコンデンサを採用
【前段増幅・トーンコントロール回路オペアンプ
・定評のあるTexasInstruments製 「NE5532」オーディオ用オペアンプを採用。
オペアンプの電源デカップリングコンデンサにはニチコンのVZを採用
【後段真空管回路高電圧電源部】
・デカップリングコンデンサにニチケミ社製KXJを採用

皆さんの興味はやはりWIMAでしょうか?流石に定番だけあって素直にいいです。
今回は1.5uFを採用してチューニングし直したのがかなり効いてますよ。
TUBE-03Jと比べると明らかに厚みが増してます。

そして、これまた地味ですが真空管用高電圧電源部のコンデンサが、台湾製からニチケミのKXJに変わってます。高圧電源部の定番で高リプル長寿命品は結構嬉しいかも。

■アートワークの見直しで特性を改善
・表面実装部品の配置を徹底的に見直し、部品間での干渉による歪を排除。
・前段オペアンプ部はグラウンドの電位差を使ったノイズ排除、真空管回路部ではグランドの影響を受けないように隔離。
ハイブリッドに相応しいアートワークが特性改善に役立っています。

今回の目玉がココ!!アートワークが半端じゃないぐらい進化してます。

TUBE-03JではSMDの間隔が狭すぎてTHD+NやSNRに影響が出てたのを、03J+では根本的に見直して再配置しています。同時に無駄なSMDを無くしパスコンを増やしてたりします。

さらに前段部分のグランドをベタの島にして強化、入力と共に電位的に最上流において下流に向かって真空管回路、電源部として、以前は必要だったデカップリングコンデンサを無くしてもTHD+N,SNRは向上してるんですよ。
グランドで狭い島になった所もキッチリとビアが入ってるのは感動モノかもです。

販売側の視点で見ると、視覚的に大きな変化の方が良いんですけど、趣味としてみると地味でも確実に音質向上する改良のほうが嬉しかったりします。

■DC12Vでも本格駆動、昇圧によるノイズ対策も万全
低電圧で単純にシグナルを通すだけの見掛け倒しではなく、高圧電源駆動を実現!
扱いやすい低圧の12V単電源入力(ACアダプター駆動)にもかかわらず、真空管の特性を発揮できるよう内部で100Vまで昇圧し高電圧駆動させています。
また昇圧回路自体の金属シールドによる隔離で、ノイズの影響を可能な限り排除します。

ココも地味ですけど、物理的な金属シールドでノイズ低減が図られてます。
ここのポイントと言うより、全体でどこまで改善できるかを真面目に取り組んだ結果がTUBE-03J+なんですね。

■アルミ合金ボディー
ヘアライン加工ボディと削り出し成形のフロントパネルで高級かつ重厚な存在感を演出。


今回のは初回販売に間に合わなかったけど、ご紹介内容はいかがでしたか?
次は何が来るか楽しみにしててくださいね!








【推奨ACアダプター】
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【保守・オプション部品】
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【ご注意】
※ACアダプターは別売です。推奨ACアダプターを同時にお求めください。
※本機はプリアンプです。パッシブタイプのスピーカー(アンプ内蔵ではない)と接続するには、別途パワーアンプが必要となります。
※フォノイコライザー機能はございません。アナログプレーヤーと接続するにはフォノイコライザー内蔵のプレーヤーと接続いただくか、別途フォノイコライザーが必要となります。
※内部には高電圧部分があり、接触すると感電によりけがを負う恐れがあります。また、火災の原因にもなりますので、絶対に分解や改造をしないでください。
真空管は新品ですが、デッドストック品のため汚れやガラスのくすみ等がある場合がございます。品質、音質には影響ございませんので、予めご了承ください。


【製品仕様】
ブランド:FX-AUDIO-
製品型番:TUBE-03J+
カラー:ブラック/シルバー
製品保証期間:お買上げ日より6ヶ月間
入力端子:ステレオRCA端子
出力端子:ステレオRCA端子
機能:トーンコントロール機能(BASS/TREBLE)・ゲイン設定機能(High/Low)・トーンダイレクト機能
電源:定格電圧DC12V 電源容量1A以上推奨 (ACアダプター別売)
電源コネクター:DCジャック 外径5.5mm 内径2.1mm (センタープラス仕様)
付属品:取扱説明書・6K4真空管 2本(種類は曙光・北京・上海のいずれかのペアとなり、お選びいただけません)
サイズ:高さ33mm(真空管含めた最大76mm)×幅98mm×奥行き118mm(※突起部含まず)
本体重量:318g(付属真空管装着時)